◆◆◆ 北九州 〜 広島 ◆◆◆

 2001年の九州の秋は比較的暖かくて、10月になっても夏用ジャケットで十分走れるほどでした。まあ天気の方は秋らしく、数日おきに晴れと雨が繰り返す空模様でしたが。
 しかし10月の最初の週末は、予報では天気が割とよさそうな雰囲気。これはどこか行かないともったいないと思い、急遽ツーリングにでかけることにしました。

 10月6日の朝は6時30分に起床。最小限の荷物を入れた吊り下げバッグふたつだけをVTRにつけ、7時20分に自宅を出発。いつもと違いキャンプ道具などを積んでいないので、VTRはとても身軽に感じました。
 R10を南へと走り、九州自動車道、小倉東インターへと向かいました。

 小倉東インターで九州自動車道に入り、関門海峡を渡って中国自動車道へと向かいました。中国自動車道を山口JCTまで走り、ここから山陽自動車路にスイッチ。下松SAまで北九州から約150kmを一気に走り抜けました。
 中国自動車道、山陽自動車道ともに、日曜の比較的早い時間ということで車も少なかったです。走っていても車が前を塞ぐこともほとんどなく、VTRみたいな大排気量車でのそこそこのスピードでのクルージングでも快適でした。

 下松SAで停まると、まずは自分が軽く腹ごしらえ。さらにVTRにも腹ごしらえさせてやってから、ここを出発しました。
 久しぶりの高速ツーリングに、VTRはいたって快調でした。VTRでこうやって高速道路で100km以上走るのも、実に1年以上ぶりだったりします。信じられないでしょうが。

 下松SAから岩国までも、それまでと同じ心地よい高速クルージングでした。岩国を過ぎたあたりから広島に近づいてくるので少し車が多くなりましたが、それでもあまり気にならないぐらい。廿日市JCTでちょっと車が列になっていた程度でした。
 さらに廿日市JCTを過ぎるとまた車も少なくなり、結局広島インターで山陽自動車道を降りるまで、三桁の速度をほぼキープすることができました。

 広島インターで降りてからはR54にスイッチして広島市街へ。アストラムラインの下をずっと走り、広島城をまわりこんで市役所前でR2に合流。さらにR2からR487へスイッチし、広島港へと到着しました。ここで江田島行きフェリーに乗ります。

 ところで広島市街では北九州ではなくなった市街電車がまだ走っています。しかも広島の市街電車は、各地から集められた中古の電車から最新式の電車(確か、ドイツ製?)まで種々な市街電車が走っていて、見ていてもなかなか面白いです。
 実際に市街地をバイクで流していると、本当にいろいろな電車に出会えます。中には昔、北九州で走っていたのと同じような電車もあって、すこし懐かしく感じたりして。また最新式の電車も何回か見かけましたが、これは3両編成ぐらいの長いタイプで車体も美しく、ちょっと乗ってみたい気にさせる外観をしていました。

 

 
ln01ex01s.jpg [1] 広島の市街電車
 これはR487でたまたま電停に停車している電車があったので写したもの。広島の市街電車としては、比較的オーソドックスでよく見るタイプでだと思います。
 最新式の3両編成も写したかったのですが、これはと思ってカメラを用意している間に走りすぎてしまい、残念ながら1枚も撮影できませんでした。


 

 広島港に着くと、江田島へ向かうフェリーは約5分前に出航したばかりでした。11時も過ぎてまたお腹も空いてきた頃合いなのでまずは昼食でもするかと考えたのですが、30分程するとすぐ次が出るみたいなので、ここはフェリーの出航を待つことにしました。
 船着き場では車の列を通り越して、フェリー着岸港のすぐ横までバイクを進めて停車。青い空の下、ミネラルウォーターを飲みながら待っていると、やがてフェリーが到着しました。

 フェリーから到着の車が全部出てしまうと、すぐに乗船開始。VTRを左舷のバイク、自転車置き場に停めました。それから約5分後、船上の客室に落ち着いた頃にはフェリーも港を出港し、私は穏やかな広島湾の上にいました。

 ところでこの広島と江田島を結ぶフェリー、上村汽船は、料金の支払い方がちょっと異色でした。普通のフェリーならば港のフェリー事務所の窓口で乗船券を買っておき、乗船の時にその乗船券を見せる(渡す)のが一般的です。

 しかしこのフェリーの料金は、乗船してから船員さんに直接払う方法でした。乗船すると昔、電車の車掌さんが持っていたのと同じような黒い鞄を持った船員が来ますので、この人にお金を払うのです。本当、昔の市内電車の集金方法とまったく同じなのです。
 この集金鞄なのですが、船員姿の男性になんかミスマッチでちょっと違和感を感じたりして。

 ちなみに乗船料金は、125cc以上のバイクと搭乗者で890円。乗船時間は約25分ほどです。
 呉市の方からぐるっとまわるのを考えると、十分リーズナブルな料金ですね。

 

 
ln01ex02s.jpg [2] 上村汽船(江田島行きフェリー)
 実は実際に乗船したはこれではなくて、青い塗装の方の船でした。基本的な構造はこの画像のものと変わりありませんが、ひとまわりぐらい大きな船でした。
 この緑の塗装の船はたぶん休止中だった船だと思います。
 
ln01ex03s.jpg [3] 鳥のフン
 フェリーに乗り込んで、ふと下をみるとタンクの上に・・・・・。ハトだと思うのですが、いったいいつ落とされたものやら。びっくりしました。
 当然、すぐに濡れたティッシュペーパーで拭き取りましたが。鳥のフンは錆の原因になりやすいそうなので、皆さんも気をつけましょう。
 
ln01ex04s.jpg [4] 海上からみる広島市街
 広島港を出港して7、8分してから撮影したもの。いかにも旅しているという雰囲気を狙って撮影してみました。
 しかしこのフェリーは車両の乗り降ろし板を下げたまま航行していますが、いいのですかね? 近距離で波もまったく静かなので、問題ないといえば問題ないのですが。


 

◆◆◆ 江田島 〜 倉橋島 ◆◆◆

 江田島の切串に渡ると、R487で島の海岸線を時計回りに半周まわり、小用の街に向かいました。そして小用の街では海上自衛隊 第一術科学校に寄ってみました。

 ここは第一術科学校というより、旧海軍兵学校があったところとして有名なところです。できればここで旧海軍兵学校時代の大講堂や赤レンガの生徒館などを撮影したかったのですが、見学コースに入ると1時間半はかかるとのこと。時間に余裕がないので、正門の撮影のみにとどめました。じっくりと見て回れなかったのは、少し残念です。

 ところでここで写真を撮影していると、海上自衛隊の親切な門番さんが江田島海上自衛隊のパンフレットを一部わざわざわけてくれました。門番といってもおそらくれっきとした士官だと思われる人で、制服の肩の上には何本か線がありました。
 私のようなものまで気にとめてももらい、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

 

 
ln01ex05s.jpg [5] 海上自衛隊 第一術科学校
 現役の海上自衛隊基地ですから、やはり正門はものものしいです。でも普通の自衛隊基地と違うのは、ひっきりなしに観光客も訪れているところです。そこはやはり旧海軍兵学校だった地だからでしょう。
 第二次世界大戦以前のものということで、特にご老人の観光客が多いように見受けられました。


 

 海上自衛隊、第一術科学校の写真を撮影した後は、すぐ近くにあったトンカツ屋で昼食にすることにしました。
 実はここは海上自衛隊の人達の行きつけのお店のようで、私が食べている間も海上自衛隊の学生達が7〜8人ほどやってきました。それほど広くない店内は、彼らでほとんど一杯に。制服姿の学生達に囲まれて、あんまりのんびりとは食事できませんでした。いやぁ〜、やっぱりなんとなく、雰囲気が違っていましたから。

 そそくさとトンカツ屋をあとにして、県道44号を南下。この県道44号は右に穏やかな湾が広がり、その海岸線に沿って走っています。走っていると、きつい潮の香りが鼻をくすぐるルートです。
 視野に広がる海面はとても穏やか。明治時代にここに海軍の兵学校を作った理由が、なんとなく理解できました。

 私はこの海上自衛隊の基地のある湾から離れて、県道44号でさらに南下し、R487に合流して早瀬大橋を渡りました。
 早瀬大橋は白い鉄骨を幾何学状に組み上げた橋で、個人的には気に入った橋でした。日本では見た目の美しさで明石大橋のような吊り橋に人気がありますが、私はこ〜ゆう幾何学的なタイプも美しいと思うのですがねぇ。変わっていますか?

 早瀬大橋を渡ってからは、次の音戸瀬戸に向かう前にちょっと寄り道を。途中で県道35号にスイッチして、桂浜へと向かいました。
 桂浜といえば四国、高知のものがとても有名ですが、そことまったく同じ地名なのが気になって寄り道する気になったのです。こちらの桂浜は四国ほど有名な観光地でなく、広さもそれほどではありませんでしたが、それでも長さ1kmぐらいのきれいな砂浜と松林がありました。
 あまり有名でない分、人影もまばらで。彼女と静かに過ごすにはちょうどいい場所かもしれません。

 ところでこの桂浜の東端には「長門の造船歴史館」なる建物があって、そこには古い中国のものらしい船(当然、再現した船)がど〜んと設置されていました。時間も惜しかったので中には入らなかったのですが、なんかすごくお金のかかった船と博物館のようでした。しかしここ、お客はまったく入っていなくて・・・。
 秋の観光シーズンの真っ最中に閑古鳥が鳴いているようでは、中身も推して知るべしというところなんでしょうか。

 

 
ln01ex06s.jpg [6] 早瀬大橋
 白い鉄骨が幾何学的に組み上げられた早瀬大橋です。これは結構、私のお気に入りのタイプの橋です。
 こ〜ゆうのを設計する人って、やっぱり人によって橋のタイプに好き嫌いなんかあるのでしょうか?
 
ln01ex07s.jpg [7] 桂浜
 倉橋島の南岸にある桂浜です。GWなのに人影少なく、静かで雰囲気のいい砂浜でした。女の子といちゃつくにはいいロケーションです。
 まあそれでも、海水浴のシーズンにはきっと海水浴客で混むのでしょう。そんな感じの砂浜でした。


 

 約20分ほどぶらぶらしてから桂浜を出発し、県道35号からR487に戻り、音戸海峡へと向かいました。倉橋島に入ってからのR487は車が少し混んでいて、50〜60km/hでトロトロと流す走りでした。