◆◆◆ 音戸瀬戸 〜 呉 ◆◆◆

 R487を走って音戸の瀬戸に到着すると、まずは瀬戸の音戸町側の海に突きでている清盛塚で海峡を撮影。次にループをぐるぐるとまわって音戸大橋を渡り、渡ってすぐの音戸の瀬戸公園で一服しながら音戸の瀬戸をゆっくりと見学しました。

 この音戸の瀬戸は、本当に狭い海峡です。海峡の最も狭いところは90mしかないのですが、船の通行量はかなり多く、私の地元の関門海峡と並んで日本で有数の船の混み合う場所だそうです。
 ここはかつて栄華を極めたかの平清盛が切り開いたと伝えられ、その由来から海峡に清盛塚があります。他にも音戸の瀬戸公園には平清盛の日招き像もあるそうです。

 ところでこの音戸の瀬戸には、音戸大橋から100mぐらい離れたところに渡し船があります。私もガイドブックを見ただけでは気づかなかったのですが、R487を音戸の瀬戸公園から下ってきたところで、ふと横をみて船着き場を見つけました。
 この渡し船というのが、まあなんといいますか、古びていてなかなかいい雰囲気でした。なんとなく最近の宮崎駿のアニメに出てくるような感じで、私自身ふと乗りたくなってみたくなりました。時間があれば一往復ぐらいしたかったです。たぶん・・・・、かなり年期の入った船に乗せてもらえたんではないかと思ったのですが。

 

 
ln01ex08s.jpg [8] 音戸の瀬戸
 清盛塚から撮影した音戸の瀬戸の一番狭い部分です。幅が約90mしかないそうです。
 船の通行量が多いということで行き交う無数の船を期待したのですが、実際にはご覧のようにほとんど船はいませんでした。やっぱり船の混み具合にも、波があるのでしょうかね。
 
ln01ex09s.jpg [9] 音戸大橋
 呉市側から撮影した音戸大橋です。音戸町側のループが特徴的です。
 この音頭大橋のループを2周もまわっていると、目が少し回ってしまったのか、微妙に感覚がおかしくなってバイクをふらつかせてしまいました。まあ大事なかったのですが、もし橋から落ちたらなんて考えると笑い事ではなかったかもしれません。


 

◆◆◆ 呉 〜 福山 ◆◆◆

 音戸の瀬戸を過ぎて、R487で呉市へと到着。
 呉市の市街地に入ったところで国道からちょっと脇にそれて、海上自衛隊潜水艦バースへと向かいました。呉市の潜水艦バースは海上自衛隊の基地の中でも珍しく、潜水艦を至近距離で見れる場所です。今まで潜水艦をほとんど見たことのない私は、いい機会なのでじっくりと見学してくることにしました。

 実際に潜水艦バースに行ってみると、よく見る自衛隊の艦船の間に確かに普段ではめったにお目にかかれない潜水艦が並んで寄港していました。自衛隊の基地ですから当然まわりは金網で厳重に囲まれているのですが、突堤が道路のすぐ横にあるので、かなりの至近距離で潜水艦を拝むことができます。

 直に潜水艦を見た感想は、やはり威圧感のあるものですね。大きさは思ったほど大きくはなかったのですが、黒一色の鉄の塊は水圧に耐える頑強さがうかがいしれます。

 ところで私がこのツーリングに行った時期が、ちょうどあのニューヨークでのテロ事件の起こった約一月後。アフガニスタンへの攻撃が始まろうかというところで、国内は自衛隊の海外派遣で騒いでいた時期でした。
 その影響で呉の海上自衛隊の基地でも、どこかの平和団体がボートを出して抗議行動なんかやっていました。当然その取材でTV局などがやってきていて、さらに他の平和団体や見物客も混じって自衛隊基地のまわりはかなりざわついていました。

 実は私はもっとじっくりと潜水艦や艦隊を見学していたかったのですが、まわりがそんな状況なのでどうも落ち着かず、こそこそと写真を撮影すると(これだって、結構気をつかって・・・)、さっさとここを離れることにしました。
 う〜ん、ちょっと間の悪いときに当たってしまったようです。

 

 
ln01ex10s.jpg [10] 潜水艦バース
 呉港の南側、R487から少し市道を走ったところにあります。おもったより近くで潜水艦や艦隊を見ることができ、こんなに近くで本当にいいのぉ? という感じでした。特に潜水艦は、めったに見ることができませんものね。
 私が行ったときはご覧のように、3隻が並べて停泊していました。あんまりこ〜ゆうところで云うのもなんですが、機械好きの男の子としては、やはり一度乗ってみたいもののひとつです。


 

 潜水艦バースを出発してからはR487に戻り、呉市街でR185にスイッチして東へと向かいました。呉市から竹原市までのR185は、広島特産のカキを育てるカキ棚が浮かぶ瀬戸内海を右に見ながら走ります。
 道はあまり広くないものの走っている車両は少なく、潮風をうけながらの〜んびりと快適に走ることができました。

 竹原市の市街地までR185を一気に走り抜け、ここの江戸の町並みでちょっと休憩しました。竹原市は江戸時代に製塩と酒造業で栄えた町で、街の一角にその頃の町並みが保存されています。

 江戸時代の町並みが保存されている場所は日本全国かなりありますが、竹原市のそれはよく手入れされていて、保存状態がかなり良いです。半分ぐらいは江戸時代より後に再建されたものかもしれませんが、それにしても西日本で3本の指に入るぐらいはよく保存された町並みではないでしょうか。

 私はこの江戸時代の町中を走り抜け、休憩がてらあちこちで写真撮影しました。観光客も割といて、狭い町中を走るのは気をつかいましたが、それでもちょっと無理して乗り入れて正解だったと思います。江戸時代の建物をバックにバイクという、ちょっと風情のある画像を得ることができましたから。

 めぼしいところで数枚ほどデジカメのシャッターを押して、町はずれの自販機でちょっと一服。ゆっくりとお土産屋なんかをまわってもよかったのですが、時間が少し圧してきたのでここを早めに切り上げ、尾道へと向かうことにしました。

 

 
ln01ex11s.jpg [11] 竹原市江戸の町並み1
 竹原市の北側、R185から少し路地に入ると、そこは江戸の町並みでした。かなり細くてバイクで入っていくには抵抗があったのですが、地元の人は車を乗り入れていたので、まあいいかということでVTRを乗り入れました。
 ただし観光客が多いので、バイクを走らすにしても徐行するようにしましょう。
 
ln01ex12s.jpg [12] 竹原市江戸の町並み2
 先日休刊しちゃったア○トライ○○誌の表紙を意識して撮った画像。なかなか雰囲気が出ていると思いませんか?
 ここはあちこちに撮影ポイントがあって、どこで写すか迷ってしまうところでもありました。
 
ln01ex13s.jpg [13] R185から望む夕日?
 R185の三原市南岸で写した画像。今回のツーリングのベストショットです。
 できれば真っ赤な夕日で撮影したかったのですが、残念ながら雲がしっかり邪魔をしてくれました。しかも時間的にも、夕日にはちょっと早かったのですが。でもその割には、なかなかいい雰囲気に撮れたと思います。


 

 竹原市の市街を出発して、再びR185を西にクルージング。時間は17時の前ぐらいでしたが、陽も少し落ち始めていてバイクの影もだいぶ長くなっていました。海岸線を走るR185は右側に瀬戸内の島々が広がり、西日を浴びてなかなかいい雰囲気。
 この状況なら面白いショットの画像が撮れるかなと何枚か写してみた1枚が上の画像です。オートのデジカメにしては、上手い具合に露出があってくれました。

 写真を撮影した後は、車が少ないR185を気分良く流していくと、やがて三原市街に到着。ここでR2に合流すると一気に車の量が増え、速度も少し落ちました。
 さすがに幹線のR2ですから、これも仕方ないところ。でも思ったより車は流れていて、それほど渋滞することもなく、17:30頃には尾道市へと到着しました。

 尾道市へは予想よりもずっと早く到着しました。そこでさっそく、お目当ての尾道ラーメンに行ってみることにしました。
 当初の予定では尾道に着くのは少し遅くなりそうだったので、ラーメンは翌日に1杯でも食べれればいいやという考えでした。でも1日目に1軒でも行ければ、翌日とあわせて2軒はまわることができます。やっぱりここまで来たので、1杯でも多く食べられればラッキーというものですから。

 まず向かったのは、尾道ラーメンの元祖?と呼ばれる有名店の朱華園。このお店は尾道の繁華街の真ん中、中央商店街のすぐ脇にあります。ガイドブックの写真ではちょっと見つけにくいかなと思ったのですが、さにあらず。意外とあっさりと見つけることができました。

 朱華園はさすがに有名店だけあって、ひっきりなしに観光客が訪れていました。ただそれでもまだお客の少ない時間だったのか、お店の中は8割程度の入りで、一人の私はすんなりと席に着くことができました。さっそく中華そばを注文。
 ちなみに尾道ではほとんどのお店が、ラーメンではなくって中華そばとよんでいます。ここらあたりは、何かこだわりがあるのでしょうかね?

 初めて食べた朱華園の中華そばは、お腹が減っているのも手助けして、やはり美味しかったです。醤油系のラーメンはあまり得意でない私ですが、ダシのしっかり効いたここの中華そばは別。かなり気に入りました。
 特に朱華園の中華そばは他店と比べて、麺に特徴があるようです。ちょっと平らな麺は、たぶんこのお店の手打ちの麺ではないかと思います。この麺の歯ごたえがなかなか良かったです。

 

 
ln01ex14s.jpg [14] 朱華園
 R2でJR尾道駅からちょっと東に走り、長江口の交差点で右に曲がり、中央商店街のアーケードを過ぎてすぐに右側にあります。
 お店をみるとまったくの中華料理屋なのですが、中のメニューは中華そばと餃子ぐらい。尾道でも一番人気の店で、いつも観光客で賑わっているようです。
 
ln01ex15s.jpg [15] 朱華園の中華そば
 尾道ラーメンの基本は、魚のダシが効いた醤油ラーメンです。丸く浮いている天カスみたいなのは豚背脂のミンチで、これが尾道ラーメンの最大の特色といえるもの。脂濃いのですが意外とあっさりしていて、私は好みでした。
 ちなみに朱華園の中華そばはちょっと薄味のあっさり目。私には少し淡泊に感じましたが、年を召した方にはこれぐらいがちょうどいいかもしれません。
 
ln01ex16s.jpg [16] 喫茶店「ゆ〜ゆ〜」
 銭湯の建物をそのまま利用した喫茶店。お茶できるだけでなく、尾道名物のお土産がたくさん置いてあり、それらを買うことができます。
 このお店は、○パ○グツ○リン○の尾道特集で紹介されていたお店なのですが、面白いと思いながら、まさか見つけられるとは思っていませんでした。ところが中央商店街を歩いている途中で、ふと見つけることができまして。犬も歩けばとはよく云ったものです。
 
ln01ex17s.jpg [17] 尾道 いいだこ焼き・でべら焼き
 いいだこでべら(かれい)の一匹まるごとそのまま焼きこんだお煎餅です。化石みたいでちょっと気味悪いですが、これがなかなかいけまして、ビールのお供などに最適です。各々600円でした。
 実はこれを探しに中央商店街をふらふらしていて、上の「ゆ〜ゆ〜」を見つけたのです。で、その「ゆ〜ゆ〜」でこれを買うことができたという・・・・。


 

 朱華園で尾道ラーメンを賞味して、中央商店街でお土産なんかを探していると、いつの間にやら18:30過ぎに。日もとっぷり暮れて、あたりはすでに暗くなってしまいました。
 この日の宿泊は尾道ではなくて、さらに東に20kmほど行った福山市だったので、本格的な尾道散策は翌日に残して出発することにしました。

 尾道市街の東には最近話題のしまなみ海道の入口である新尾道大橋と尾道大橋が、並んでそびえています。R2でその下を走り、さらにしばらく市街地を走ると、R2は海岸線から離れて内陸へと向かいました。
 尾道から福山の間のR2は、風景としてはつまらない典型的な郊外で、しかもあちこちで車が渋滞しているので、走っていても少し退屈なところ。無理はしないものの、渋滞では脇をすり抜け、ひたすら福山市内へと先を急ぎました。

 すっかり暗くなったR2を30分ほど走ると、JR福山駅前まで着きました。しかしここで、インターネットで予約していたビジネスホテルの場所がよくわかりません。簡単な地図は印刷してあるものの、目印がいまひとつ見つけられずに、あちこちを探して走り回ることに。
 住宅地の中のわかりにく〜いところにあるホテルを見つけたのは、20分ほど走り回った後でした。とりあえず荷物を部屋に放り込むと、夕食をとりに駅前近くの繁華街へと行くことにしました。

 繁華街でふと目についた和風居酒屋に飛び込んで、生ビールとお刺身、それに魚の唐揚げなんかを注文。ガイドブックで翌日のルートを考えながら、小一時間ほどそこで飲んでから、ビジネスホテルに戻りました。
 ビジネスホテルに戻ってからは、ざっとシャワーを浴びてすぐに就寝。翌朝までぐっすりと眠ることができました。