◆◆◆ 西 条 ◆◆◆

 R375を通ってJR西条駅前に行くと、そのまわりは赤レンガの煙突土蔵造りが並ぶ造り酒屋の街でした。駅から見渡すだけでも、ざっと十やそこらの煙突が見え、しかもそのひとつひとつが違う屋号が書いてあるのにびっくり。狭いこの街だけでも、十数の造り酒屋があるようです。

 まずは造り酒屋の雰囲気を味わうために、駅の東側、通称酒蔵通りに入ってみました。白くて高い塀に挟まれた細い路地が迷路のように入り組んでいて、その両側に土蔵造りの町並みが続きます。まるでタイムスリップして大正時代あたりに迷い込んだようでした。
 惜しむらくはひとつぐらいは酒造工場を見学できるかなと思っていたのですが、ほとんどが現役の酒造工場なので、飛び込みで見学できるようなところはなし。でも町並みを歩くだけで、充分気分には浸れます。

 酒蔵通りを堪能した後は、駅の裏にある松尾神社に行ってみました。
 ここは造り酒屋の街、西条の神社ということで、やはりお酒の神様を祀っている神社です。本殿の左右には酒樽が山と積まれていました。これからもこの町の酒造元から厚く祀られているのがよくわかります。

 神社の次は、お酒の重要な原料であるを見学に。酒造りと水は切っても切れない関係で、灘六郷の宮水をはじめ酒造りの場所にはだいたい有名な水源があるのですが、西条にもかみの井戸いちの井戸という水源があります。

 ところが探して行ってみると、これがびっくり。いちの井戸はまだ酒造会社の敷地内にあり、かなりきちんと管理されているようだったのですが、かみの井戸はまったくの住宅地の中にぽつんとあり、誰でもすぐそばまで近づける状況。大事な水源がこんなのでいいの?というほど不用心な感じでした。
 画像を見ればわかるのですが、一応、屋根や囲いはあるものの、ほとんど飾りというところ。横に酒造会社のタンクもあったりして、今でも水は汲んでいるようですし、もうちょっときちんとした方がいいような気がしました。

 最後に駅前の古くからありそうな酒屋で記念にお酒を1本購入。吟醸酒の8年ものの古酒というやつです。新酒というのはよくあるのですが、ここ西条では珍しいことに、5年ものとか10年ものとかの古酒が売っています。これはここで初めて見ました。

 ツーリングから帰って後日、これを飲んでみると、これがまたなかなかの味わいでした。新酒のようなフルーティな感じはなくなっているものの、上品な熟成が進んだお酒で、枯れた感じがなんともグッド。もし機会があるなら、一度飲んでみるといいです。

 

 
ln01ex26s.jpg [26] 西条の酒蔵通り
 酒造通りの中でも最も大きな工場をもつ「賀茂鶴酒造」の土蔵。この酒蔵通りは本当に細い路地が入り組んでいて、バイクで走るのも一苦労です。できれば駅前近くにバイクを置いて、徒歩で見学したほうがいいようです。
 
ln01ex27s.jpg [27] かみの井戸
 ごく最近造成し直したような住宅地のなかに、ぽつんとこの井戸はあります。屋根と柵はあるものの、ほとんど無防備。お酒の大事な水源にしては、ちょっと不用心な感じがしました。
 かみの井戸もいちの井戸も標識もほとんどなくかなり探しにくいですから、地図をたよりに注意深く探さないといけません。


 

 西条を出発してからはR2に戻って、広島市へと向かいました。

 広島市に入ったのは15:00頃。ちょうど小腹が空いてきたところだったので、広島風お好み焼きを食べるためにお好み村に寄り道。
 ここの2Fにある八昌というお店に席が空いていたので、そこで久しぶりの本場の広島風お好み焼きを堪能しました。

 ところで私自身は、広島風お好み焼きというとこのお好み村ぐらいしかしらないので、いつもここに通っています。しかし、最近はちょっとマンネリ気味になっているのも確か。広島風お好み焼きに関しては、そろそろ新しいお店を開拓しないといけないなと思っています。
 しかし広島市内はお好み焼き屋も多くて、どこが本当にいいお店なのかよくわかりませんし・・・。美味しいお好み焼きのお店を探すのは、一苦労しそうです。

 

 
ln01ex28s.jpg [28] 八昌の広島風お好み焼き
 食べた感じでは、正当派?広島風お好み焼きのような気がします。キャベツに麺に卵とオタフクソースの組み合わせでした。やっぱりこれが基本ですかね。
 休みということでお好み村は人が一杯で、このお店も例外でなくほとんど満席。店の外で待たずに食べられたのは、本当に幸運だったようです。


 

 広島を出発したのは16時ぐらいだったと思います。市内のR54を北上して広島インターから山陽自動車道へ入りました。そして山陽自動車道から広島自動車道を経て、中国自動車道へ。

 まだ明るい間に中国地方の山間部を抜け、日没間もない頃に関門海峡を渡って北九州へと戻ってきました。北九州の自宅に戻ったのは、19時過ぎでした。

 こうして2001年シーズン最後の長距離ツーリングは、無事終了しました。